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EXPO 国際フォーラム2000

2000年6月23日 - 25日

 今般の「EXPO 国際フォーラム2000」は「対話」と「統合の原理」というキーワードのもと、国際永久平和祈念祭典協議会(理事長 前天台宗比叡山延暦寺執行小林隆彰師)によって行われた国際的プロジェクトだ。

 エキスポ会場では経済、学術、宗教、女性、経営者、科学(複雑系)、哲学の分科会によるシンポジュームが開催された。

 一方、コングレス・センター・クッペルザールでは、カトリック、プロテスタント、ユダヤ教、仏教による国際恒久平和祈念祭典が開催された。  詳しくはリンクのページから「EXPO 国際フォーラム2000」を参照されたし。

 

シンポジュームでの基調講演
アミタイ・エツィオーニ教授
(ジョージワシントン大学)

 

法要を伝える現地の新聞

ハノーファ市内のベトナム寺院
 

ベトナム寺院内で法要の練習
 

国際永久平和祭典会場
コングレスセンター・クッペルサール
 

ユダヤ教のセレモニー

ペンデルツキ氏の初演作を練習する共演の
マイケル・ハーシェル指揮、
ワルシャワ国立フィルハーモニー
 

リハーサル風景
正面には大曼荼羅本尊
 

セレモニーのあと握手をする
日蓮宗声明導師の早水日秀師
指揮者マイケル・ハーシェル

■法要の様子

  仏教のセレモニーは日蓮宗が担当し、日本全国から70余名の声明師が参加した。そして、90歳を越えられた日蓮宗管長藤井日光猊下(身延山法主)がはるばるドイツまで赴かれ大導師を勤められた。

 6月25日(日曜日)の夜に開催された、仏教のセレモニーに際しては、著名なポーランドの作曲家クリシュトフ・ペンデルツキ(Krzysztof Penderecki)氏に作曲が依頼されていて、その初演が今回のセレモニーとなった。

 演奏するオーケストラはワルシャワ国立フィルハーモニーで、国立という名に恥じない素晴らしいオーケストラだった。現地で聴く管弦楽の音色は格別で、コンサートマスターのバイオリンの研ぎ澄まされた印象的な響きもさることながら、あれほど一糸乱れぬバイオリンのストリングスを私は聴いたことがない。
 その素晴らしいオーケストラの演奏と、私ども僧侶70余名の読経・唱題・声明が交互になされた。その様子は万国博覧会開場の広場にある大画面にも実況中継された。ドイツの第二国営放送でも後日放映されるとのことだった。

 仏教の声明や読経と西洋音楽とは水と油の如くに思われるかも知れないが、意外と調和のとれたものとなる。私たち日蓮宗声明師会としても実績があり自信があった。

 とはいえ、現地のオーケストラと指揮者は初体験で当惑していたようだ。事前に声明や読経のテープが現地に送られていたが、言葉も文化も習慣も常識も違うので意志疎通に苦労があったようだ。
 ただでさえ、有史以来、幾多の民族と文化が激しくしのぎを削りあってきたヨーロッパの人々である。彼らとの共同作業は並大抵のことではなかったようだ。練習中にオーケストラが席を外してしまうという難しい局面もあったようだ。

 しかし、セレモニーは成功裡に終わった。終了後の会場では、あるドイツ人女性が感動して立つことができなかったと仰っていたそうだ。
 終了後のパーティーでオーケストラの指揮者マイケル・ハーシェル(Michael Hurshell)氏とお話しする機会があったが、芸術家として手応えを感じておられる様子で、とてもさわやかな笑顔をされていた。仏教の声明と読経の荘厳さを、私にでも十分理解できる丁寧で簡潔な英語で評価して下さった。現に、ワルシャワ国立フィルハーモニーからもう一度やりたいという話もあるくらいである。

 キリスト生誕2000年のミレニアムにわいたヨーロッパであるが、場違いな仏教の祭典にならないかという心配は無用だった。厳粛で荘厳な声明と所作は、遠い異国の地でも十分通じた。
 感動は感性を動かし信仰の萌芽を育む。功徳を普く及ぼす平和と慈悲の仏教のこころを一神教を奉じる異文化の方々に伝える一助となったと思う。

 さて、その後はデュッセルドルフ近郊に建立された日蓮宗寺院大聖恩寺の落慶法要に出仕し、さらにイタリアに飛んでキリスト生誕2000年にわく、カトリックの総本山バチカン市国を表敬訪問。ローマ法王ヨハネパウロ二世の謁見に参加し帰途についた。

■データ

導師

藤井日光日蓮宗管長猊下

音楽監督

Krzysztof Penderecki , Helmuth Rilling

指揮

Michael Hurshell

オーケストラ

Warsaw National Philharmonic Orchestra

次第

プロフォンデス
初伽陀
表白
敬礼段
アニュスデイ (献香献華)
咒讃
十方礼仏
対揚
アナクラシス
自我偈
Penderecki の新曲
唱題
三帰
アダージオ
回向伽陀
黙祷