仏教
FAQ(百八煩悩)

除夜の鐘の数108は煩悩の数ですか?とたずねられることが多いので付記しておく。

百八煩悩の前に3つの根本煩悩を知ることが肝要

根本煩悩は次の3つで三毒と呼ばれます。それは、
   貪(とん) 瞋(じん) 癡(ち)
の3つです。

貪欲(とんよく)財物などをむさぼり求め、飽くことのないこと餓鬼に対応
瞋恚(しんに)いかり憎むこと地獄に対応
愚痴(ぐち)愚かでものの道理を解さないこと畜生に対応
百八煩悩は四苦八苦を数えたものか?

四苦を数字に当てれば 4 と 9、
八苦を数字に当てれば 8 と 9

4 × 9 = 36
8 × 9 = 72

36 + 72 = 108

だから百八煩悩は四苦八苦の数だ!

そのように説明するお説教師がいるらしい。
しかし、これは言葉の語呂がたまたま一致したに過ぎない。
お説教中に笑いを取るために話されたことであろう。

大正新脩大藏經に掲載されている経典に百八煩悩の記載があるので、日本語の九九の語呂ではなく、インド中国の仏教の時代から百八煩悩の考え方があるのではないか。

三漏體性
欲漏妄執から生ずる汚れ
欲愛5欲望への妄執
5いかり憎むこと
5他と比較して驕慢の心を起こすこと
12誤った見解、邪見
40仏教への躊躇、真理を疑う
10内心に潜む悪が外にでて纏わり付くこと
有漏生存から生ずる汚れ
10人間の最も根源的な欲望
10他と比較して驕慢の心を起こすこと
8仏教への躊躇、真理を疑う
24誤った見解、邪見
無明漏真理を理解しないことによる汚れ
欲界5欲望にとらわれた生物が住む世界(地獄,餓鬼,畜生,修羅,人間,天)
色界5欲望は超越したが物質的条件(色)にとらわれた生物が住む世界
無色界5欲望も物質的条件も超越し精神的条件のみを有する生物が住む世界
(合計)108

『阿毘曇毘婆沙論卷第二十六』 大正新脩大藏經28巻189頁a参照

四流體性
欲流欲望が内心の善の性質を洗い流してしまう
5人間の最も根源的な欲望
5いかり憎むこと 
5他と比較して驕慢の心を起こすこと
4仏教への躊躇、真理を疑う
10内心に潜む悪が外にでて纏わり付くこと
有流煩悩のあるものの考えが内心の善の性質を洗い流してしまう
10人間の最も根源的な欲望
10他と比較して驕慢の心を起こすこと
8仏教への躊躇、真理を疑う
見流思想的・観念的迷いが内心の善の性質を洗い流してしまう
欲界12欲望にとらわれた生物が住む世界(地獄,餓鬼,畜生,修羅,人間,天)
色界12欲望は超越したが物質的条件(色)にとらわれた生物が住む世界
無色界12欲望も物質的条件も超越し精神的条件のみを有する生物が住む世界
無明流無知が内心の善の性質を洗い流してしまう
欲界5欲望にとらわれた生物が住む世界(地獄,餓鬼,畜生,修羅,人間,天)
色界5欲望は超越したが物質的条件(色)にとらわれた生物が住む世界
無色界5欲望も物質的条件も超越し精神的条件のみを有する生物が住む世界
(合計)108

『阿毘曇毘婆沙論卷第二十六』 大正新脩大藏經28巻192頁b参照

四取體性
欲取欲望に執着すること
5人間の最も根源的な欲望
5いかり憎むこと 
5他と比較して驕慢の心を起こすこと
無明5無知なこと
4仏教への躊躇、真理を疑う
10内心に潜む悪が外にでて纏わり付くこと
見取悪い見解に執着すること
欲界10欲望にとらわれた生物が住む世界(地獄,餓鬼,畜生,修羅,人間,天)
色界10欲望は超越したが物質的条件(色)にとらわれた生物が住む世界
無色界10欲望も物質的条件も超越し精神的条件のみを有する生物が住む世界
戒取誤った戒律を修行すること
欲界2欲望にとらわれた生物が住む世界(地獄,餓鬼,畜生,修羅,人間,天)
色界2欲望は超越したが物質的条件(色)にとらわれた生物が住む世界
無色界2欲望も物質的条件も超越し精神的条件のみを有する生物が住む世界
我語取我見に執着すること
10人間の最も根源的な欲望
10他と比較して驕慢の心を起こすこと
無明10無知なこと
8仏教への躊躇、真理を疑う

『阿毘曇毘婆沙論卷第二十六』 大正新脩大藏經28巻193頁a参照